こんにちは、すてこけです。
塊根植物の魅力は、その個性的なフォルムと、ひとつとして同じものがない多様性にあります。
お店で完成された株を購入するのももちろん素晴らしいですが、種から育てる喜びは格別。
小さな種から芽が出て、少しずつ塊根が形成されていく過程を目の当たりにするのは、まさに感動体験です。
今回は、そんな塊根植物の種まきについて、特に初心者の方に役立つミニ知識と、私が実践している「一鉢ぎゅうぎゅう蒔き」の工夫をご紹介します。
種まきの魅力:未来を想像する喜び
塊根植物の種まきは、まさに未来への投資。完成された姿が想像できない小さな種から、一体どんなユニークな株が生まれるのか、そのワクワク感がたまりません。
👇は種から育てているパキラなんですが、なんと双子パキラなんです。
お店では見ないですよね。これが実生の楽しさの一つなんです♪



成長の過程を全て見届けられる: 芽吹きから塊根の肥大、枝葉の展開まで、すべての成長フェーズを自分の手で見守ることができます。これは、完成株を購入するだけでは味わえない特別な喜びです。
自分だけのオリジナル株: 種から育てることで、個体差を楽しむことができます。お店ではなかなか出会えないような、自分だけの個性的な株を育て上げるチャンスです。
愛着が深まる: 手間暇かけて育てた分、株への愛着もひとしお。小さな芽が少しずつ成長していく姿を見ていると、まるで我が子のように感じられます。
コストパフォーマンス: 完成された株は高価なものも少なくありませんが、種から育てれば、より手軽に多くの品種に挑戦することができます。
種まきは、まさに塊根植物の奥深さを知るための第一歩。ぜひ、この感動を体験してみてください。
私の工夫:「一鉢ぎゅうぎゅう蒔き」のススメ

「種まきは難しそう」「場所がない」と感じる初心者の方もいるかもしれません。
そこで私が実践しているのが、「一鉢ぎゅうぎゅう蒔き」です。
これは、文字通り一つの鉢に複数の種をぎゅうぎゅうに蒔いて育てる方法。
限られたスペースでも、効率的に多くの苗を育てることができます。
なぜ「一鉢ぎゅうぎゅう蒔き」なのか?
この方法には、いくつかのメリットとデメリットがあります。
特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|
スペース確保 | 複数の種を小さなスペースで管理できるため、限られたスペースでも多くの品種に挑戦できる。 | 苗が密になりすぎると、通気性が悪くなり病気のリスクが高まる可能性がある。個々の株の成長が阻害される可能性もある。 |
管理の簡略化 | 水やりや温度管理など、すべてまとめて行えるため、手間が少ない。 | 病気や害虫が発生した場合、一気に全体に広がるリスクがある。 |
発芽率の向上? | 種が密集することで、適度な湿度と温度が保たれやすく、発芽率が安定しやすいと感じる。 | 競争原理が働き、弱い苗が淘汰される傾向がある。全ての苗を確実に成長させたい場合には不向きかもしれない。 |
鉢上げまでの手間 | 鉢上げまでそのまま育てることで、余計な手間を省ける。 | 鉢上げの際、根が絡まりやすく、一つ一つの株を傷つけずに取り出すのが難しい場合がある。成長に伴い、個別のスペースが足りなくなるため、早めの鉢上げが必要となる場合がある。 |
私流「苗床」の作り方
私の「一鉢ぎゅうぎゅう蒔き」では、一つの鉢の中に「通常の用土」と「種まき用の用土」の二層構造の苗床を作ります。
- 鉢の準備
まず、育成したい塊根植物の鉢を準備します。
発芽直後は水切れをさせないように腰水管理で育てるので、プレステラを使うことが多いです。 - 通常の用土を入れる
鉢の底から7割くらいまで、普段塊根植物を植えている通常の用土(私は自分でブレンドしている用土にマグァンプを混ぜています。)を入れます。これは、発芽後そのまま育てるためです。 - 種まき用用土で苗床を作る
その上から、種まき用用土を2~3cm程度の厚さで敷き詰めます。
種まき用用土は、肥料分が少なく清潔で、保水性と排水性のバランスが良いものを選びましょう。
私は赤玉土の細粒を使用しています。

この二層構造にすることで、発芽初期のデリケートな時期は清潔な種まき用土で保護しつつ、ある程度成長して根が伸びてくれば、下の栄養分のある通常の用土に自然と移行できるというメリットがあります。鉢上げまでの間、そのままの状態で比較的安定して育てられます。
セルトレイ・育苗箱との比較
種まき用の容器としては、セルトレイや育苗箱も一般的です。それぞれの特徴を比較してみましょう。
容器の種類 | メリット | デメリット | こんな人におすすめ! | 例 |
---|---|---|---|---|
鉢 | ・スペース効率が良い。 ・管理がしやすい。 ・鉢上げまでの期間を長く取れる。 ・環境変化に比較的強い。 | ・苗が密になりやすく、通気性や日当たりに注意が必要。 ・鉢上げの際に根が絡まりやすい。 ・病害虫が蔓延しやすいリスクがある。 ・初期の水の管理に注意が必要(乾きにくい)。 | ・種まき初心者。 ・限られたスペースで多くの品種を育てたい。 ・ズボラ派。 | Amazonで見る |
セルトレイ | ・一つ一つの苗を個別に管理できる。 ・鉢上げがしやすい。 ・根張りの良い苗が育ちやすい。 ・病害虫が蔓延しにくい。 | ・スペースを取る。 ・水切れしやすい。 ・鉢上げの頻度が高くなる。 ・一つ一つのセルの容量が小さいため、ある程度の大きさになったらすぐに鉢上げが必要。 | ・確実に一つ一つの苗を育てたい。 ・丁寧に管理したい。 ・スペースに余裕がある。 | Amazonで見る |
育苗箱 | ・ある程度の苗をまとめて管理できる。 ・セルトレイよりは水切れしにくい。 ・個別のスペースが確保しやすい。 | ・鉢よりはスペースを取る。 ・セルトレイほど個別管理はできない。 ・鉢上げの手間は発生する。 | ・複数の苗を効率よく育てたい。 ・セルトレイよりは手間を減らしたい。 | Amazonで見る |
さいごに
塊根植物の種まきは、決して難しいことばかりではありません。
むしろ、ちょっとした工夫で、初心者の方でも十分に楽しむことができます。
今回ご紹介した「一鉢ぎゅうぎゅう蒔き」は、スペースや手間を気にすることなく、気軽に種まきを始めたい方におすすめの方法です。


小さな種から、どんな個性的な塊根が生まれてくるのか。その成長の過程をぜひ一緒に楽しみましょう!
もし、他に塊根植物の育て方で気になっていることや、こんなテーマの記事が読みたい!というものがあれば、ぜひ教えてくださいね。
ほなまた!
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