実生アデニウムの水やり実験!腰水管理と通常管理で3か月比較してみた

アデニウムの水やり比較アイキャッチ画像 実験・チャレンジ

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こんにちは、すてこけです。

実生株を早く大きくするために長期間腰水管理で育てると良いってよく耳にするので、私は「播種」~「その年の秋」まで腰水管理で育てています。ふと疑問に思ったんですが、本当にそうなのでしょうか?腰水は根腐れの心配がありますし、乾湿をつけた方が育つのではないでしょうか?

自分で実際に確認してみたくなりました。

今回は、腰水管理と通常の水やりで3か月育ててみて成長の違いを観察した結果をご紹介します。「腰水管理って早く成長するの?」、「腰水管理っていつまで?」と悩んでいる方の参考になれば嬉しいです。

実生アデニウムと腰水管理の基本

腰水管理とは

鉢底から水をジワジワ吸わせる水やり方法。
詳しくはこちら👇

実生株を腰水管理する理由

発芽したばかりの苗は水を蓄えておく力が弱く、すぐに水切れを起こしてしまいます。
腰水管理をすることで、水やりの管理がグンと楽になるんです。
また、腰水管理をすると木質化を遅らせることができるので、成長速度が速いと言われています。

この方法は、屋外の直射日光ガンガンの風通しの良い場所で育てるのが前提です。
室内など十分な日光と風通しがない場所だと徒長や根腐れを起こす可能性が高いので、要注意です。

実験の準備と条件

2025年2月22日に蒔いた「アデニウム・イエメン」を使って実験をします。

いつもであれば、種を蒔いた鉢のまま冬越しをさせるのですが、イエメンさんは成長がはやく、夏前に鉢がぎゅうぎゅうになってしまったので、植え替えるついでに実験をしたいと思います。

実験の条件
  • だいたい同じサイズの株を準備します。
  • 1つは「腰水管理」、1つは「通常の水やり」で3か月間育てます。
  • 通常の水やりは、土が乾いたらたっぷりとですが、まだ株が小さいため、雨の日以外毎日行う事とします。
  • 置き場所は屋外。1日中直射日光があたる風通しの良い場所。
  • 植え替え時にマグァンプを入れているため、肥料はあげません。

今回使ったマグァンプオルトランDXはこちら👇

植え替えに使った鉢はこちら👇

実生アデニウムの成長記録

成長記録

  • 2025年
    6月29日
    実験開始
    管理方法通常水やり腰水管理
    高さ7.6cm(5.6cm)7.4cm(5.4cm)
    太さ1.8cm1.9cm

    いきなり失敗してしまいました

    • 植え付前の状態で「高さ」を測ってしまいした。
      上記の「高さ」の値は、植え付け前の「根から葉先まで」を計測した値です。なので、土に2cm植えたと仮定した値を()に記載し、これを基準とします。
    • 「太さ」をメジャーで測っていますが、この後ノギスでの計測に変更しています。そのため上記の値は計算して出した値となります。

    いきなりの失敗。のちのちの事を考えて写真を撮らなくちゃいけませんね💧

  • 2025年
    8月4日
    約1か月後
    管理方法通常水やり腰水管理
    高さ7.5cm8.5cm
    太さ2.0cm(+0.2cm)2.4cm(+0.5cm)

    ここからは、土の上からの高さ、ノギスで計測した太さの値になります。

  • 2025年
    8月15日
    約1.5か月後
    管理方法通常水やり腰水管理
    高さ8.0cm(+0.5cm)9.0cm(+0.5cm)
    太さ2.2cm(+0.2cm)2.6cm(+0.2cm)

    今回の計測では、成長差は見られませんでした。

  • チラ見せ
    通常水やり腰水管理の比較写真
    通常/腰水の比較

    パッと見ただけでもわかるくらい違いが出ています。

  • 2025年
    9月20日
    約3か月後
    管理方法通常水やり腰水管理
    高さ8.5cm(+0.5cm)11.0cm(+2.0cm)
    太さ2.5cm(+0.3cm)2.9cm(+0.3cm)

    腰水管理の高さが急に伸びましたが、前回の写真では葉っぱがだらんとしていて今回はピンとしています。そのため、増加値が多くなったみたいです。
    1.5か月後 腰水①3か月後 腰水①

    それでは、3か月でどれくらい成長したかを見て見ましょう

    腰水管理の方は葉数が減っています。通常管理の方はそのまま大きくなったように見えます。そして幹はどちらも木質化途中で変わりないように見えます。

    アデニウム推移図
    アデニウム サイズ推移図

    計測開始からの増加値は以下となりました

    管理方法通常水やり腰水管理
    高さ+2.9cm(152%)+5.6cm(204%)
    太さ+0.7cm(139%)+1.0cm(153%)

    ※()内の数値は増加率

    「高さ」、「太さ」ともに腰水管理に優位性がありました!
    これで、自信をもって腰水管理を続けることができますね。

    高さは、実験開始当初(6/29)に根から葉先までを計測しているため2cm土に植えたと仮定した値を基準としていますので、目安としてお考え下さい。

実験結果を覆す?まさかのイレギュラー

お伝えするか悩んだのですが、やっぱり正直なところをお伝えすべき!と思い、書きます。

実は、「腰水管理」で育てた子でも、「通常水やり」で育てた子でもない、腰水管理から途中で通常水やりに変えたハイブリットな子が一番成長しました!

最初は腰水管理を継続していたんですが、いつの頃か気が付いたときには、通常水やりになっていました。意図して通常水やりに変えたわけではなく、腰水管理で使っているトレイを掃除した時に戻さなかったんだと思います。

その子の姿がこちら👇

  • 高さ:13cm
  • 太さ:3.3cm

個体差もあると思います。そして計測していないので成長率も分かりません。けど、この子が一番大きく育っているんです。

こういうことがあると、観葉植物って不思議だなぁって思いますね。
この実験って……と思わされる出来事でした。

成長比較からわかったこと

  • 腰水管理の方が成長速度が速い
  • 腰水管理の方が葉っぱも大きい
  • ただし実験は2鉢でしか行っていないので、個体差の可能性も捨てきれない
  • イレギュラーで腰水管理より育つ子もいる

さいごに

今回、実生アデニウムを腰水管理と通常水やりで3か月育ててみました。
結果としては、腰水管理の方が成長スピードも太り方もやや優勢でした。

ただし、通常水やりでも枯れることなく順調に育っており、腰水管理だけが正解というわけではありません。腰水管理には「水切れの心配が少ない」というメリットがある一方で、長く続けすぎると根腐れやコケ・藻の発生リスクもあるため、万能ではないと感じました。

初心者の方には、播種〜その年の秋ごろまでは腰水で管理し、その後は徐々に通常管理へ移行するのがおすすめです。環境や育て方によって結果は変わるので、今回の実験は一つの参考として見てもらえれば嬉しいです。

環境や育て方次第で結果は変わると思うので、皆さんの経験もぜひ教えてください。

今回の記事が、アデニウム実生の「腰水管理って早く成長するの?」、「腰水管理っていつまで?」という悩みに対して、少しでもヒントになれば幸いです。

アデニウムを実生から育ててみたくなった方はこちらも参考にしてください👇

ほなまた!

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